ダーチャ来道を前に北大に申し入れ
外国人教師官舎跡に案内板とモニュメントの設置を
美馬代表は「戦前、官舎を舞台に心の会が活動しましたが、北大のヒューマニズム、自由と進取の精神の表れでもあります。官舎跡に案内板とモニュメントを設置するなら、多くの人が北大の素晴らしさを感じることができると思います」と述べ、間もなく90歳になろうとする高橋さんは「私は一条中学や札幌南高でポーリンさんの授業を聞き、教養でレーンさんの講義を受けました。毎週のようにレーンさんのお宅へ通い、レーンさんの子どもたちを月寒の種羊場へ連れて行ったりしました」と述べました。
※代表者に名を連ねる松竹谷はるさんはお仕事の関係で当日来られませんでした。
レーン夫妻―宮澤弘幸―マライー二一家、戦雲迫る中においても、国籍や身分の違いを越えて、学問の真理を追究し、視野を世界に広げ、固い信頼で結ばれた学生・留学生(中国人など)と外国人教師の営みがあったということ、すなわち「心の会(ソシエテ・デュ・クール)」の存在を、北大は改めて評価すべきではないでしょうか。
また、北大の農学部を出た吉田栄一さん(盛岡市)が、良心的兵役拒否者としてのレーン先生の青年時代の研究をまとめ自費出版しました。私たちに託して、吉田さんはメッセージを添えて総長宛てに献呈しました。
「北大教師になった第一次世界大戦の良心的兵役拒否者 富士国際旅行社北海道ツアー
ハロルド・レーン」 吉田栄一 著 北大外国人教師官舎跡
次いで6月11日、田中豊と北明邦雄は富士国際旅行社北海道ツアーの40名分の署名を乾課長に手渡しました。「富士旅行社のツアーの人たちが来て3年になります。本州の人たちも私たちの話を聞いて、ぜひ案内板とモニュメントをと言っています。すでに2022年に北大の回答はいただいていますが、今回はダーチャも来ることですし、ぜひ再検討して下さい。ツアーの人たちを案内して官舎跡に行きましたが、これでは何もわからないと皆さん言っていました」。
4月から就任された乾優紀子総務課長を窓口として、私たちは改めて申し入れを行って参りました。北大は「事件の風化を防ぐための取り組み」を進めているので(案内板とモニュメントの設置には)「応じることができません」との回答(2022年10月28日)をしていますが、改めて再検討を要請するものです。